共産主義者同盟(統一委員会)






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『戦旗』1613号(5月5日)6面

 
石川さん不当逮捕59カ年弾劾 
  東京高裁は再審を開始せよ
  5・24狭山闘争に結集しよう
  狭山差別糾弾! 石川さん無実の再審を開始せよ!


                         全国狭山闘争連絡会議




●1 狭山差別裁判糾弾

 今年八三歳になった石川一雄さんは、一九六三年五月二三日、当時の警察権力が部落差別を利用して女子高校生殺人事件の犯人にデッチ上げたために、不当逮捕された。狭山事件である。部落民への差別と見込み捜査、別件逮捕、そして不当な代用監獄の長期投獄、長時間の取り調べ、弁護士接見禁止のなか、さまざまな脅しを受け自白を強制されながらも、石川さんは無実を訴えつづけた。警察権力が兄や家族にも逮捕策動や差別攻撃をする恫喝のなかで、獄中密室のデッチ上げ攻撃が石川さんを厳しく追い詰め、自白を強要された。一九七一年一審の浦和地裁で石川さんの死刑判決=処刑攻撃が下された。部落解放同盟や支援による狭山差別裁判糾弾、石川さん無実の闘いが大高揚するなかで、一九七四年一〇月三一日、東京高裁・寺尾は、無期懲役=獄死という許しがたい判決を下したのだ。

●2 狭山闘争の地平

 石川さんと部落解放同盟や支援によって、狭山差別裁判を徹底的に糾弾する闘いが繰り広げられてきた。石川さんの無実をかちとる狭山闘争は、「石川さんはわが命」と部落大衆自らの社会的差別を許さない解放運動として、すなわち大衆的糾弾闘争として取り組まれている。こうした闘いのなかで、国家権力が石川さんを「仮出獄」させる状況を切り拓いてきたが、いまなお「女子高生殺人犯」のえん罪を石川さんに着せたままである。現在、石川一雄さん・早智子さん夫妻と部落解放運動、支援によって、第三次再審闘争が闘われている。国家権力による不当極まりない部落差別をもってするデッチ上げの石川さんへの処刑攻撃=狭山差別裁判は、絶対に許されない。部落解放運動の前進、日帝・国家権力の部落差別攻撃を粉砕する大衆的糾弾闘争によって、石川さんの無実=再審勝利をかちとっていかなくてはならない。「部落の解放無くして、労働者人民の解放なし。労働者人民の解放無くして、部落の解放なし」という、狭山共同闘争の全人民解放を闘う内実が刻印されてきた。さらに一九七〇年代には、障害者解放運動、在日朝鮮人・韓国人や在日台湾人・中国人の闘い、女性解放闘争など、反差別共同闘争が部落解放運動とともに前進してきたのである。

●3 第三次再審闘争

 一九七七年八月、狭山再審請求が開始された。二〇〇六年五月二三日以降、現在に到る第三次再審闘争が闘われている。証拠開示を一つひとつかちとりながら、石川さん無実の新証拠を積み上げ、東京高裁に対して鑑定人尋問など事実調べを求めている。証拠開示された取り調べ録音テープでは、石川さんが取り調べで殺害方法などをまったく語れず、警察官の強制的な誘導で虚偽自白がつくられている状況も明らかとなった。
 犯人が残した唯一の物証である脅迫状は、当時、字を書けなかった石川さんに警察官が字を教えながら書かせた筆跡は、コンピュータを使った福江鑑定によって、石川さんとは別人のものであることが証明された。
 被害者の万年筆が自白通り石川さん宅から発見されたということが有罪の決め手となっているが、これが根底から崩れる下山第二鑑定の新証拠も提出されている。
 下山第二鑑定の蛍光X線分析によって、被害者の万年筆のインク成分の元素が、発見万年筆には含まれないことが明らかになっている。そもそも、警察の徹底的な家宅捜査が数回繰り返された。後で、石川さん宅のかもいから被害者の万年筆が発見されたということ自体が、デッチ上げだったのだ。
 他にも、スコップ、手ぬぐいなど、石川さんを犯人にするために証拠が捏造されていたことが明らかになっている。この間、石川さん無実の新証拠は二二四点にも上っている。検察側が隠し持つ全証拠を開示させ、石川さん無実をいっそう強固にしていかなくてはならない。
 東京高裁は、速やかに、検察側の持つ全証拠を開示させ、新証拠の鑑定人尋問など事実調べを行い、再審開始を決定しなければならない。

●4 強まる部落差別攻撃

 今日、日本帝国主義ブルジョアジーは、身分制差別である部落差別を現代にも再生産しながら、階級支配を強めている。きわめて少数の大ブルジョア階級・富裕層とその政治権力(安倍、菅、岸田と続く右翼反動自公政権)は、圧倒的多数の労働者階級人民を階級支配するために、国家権力の暴力・治安弾圧、天皇制・天皇制イデオロギーに基づく差別排外主義・分断をもって、階級支配秩序を強化している。労働者階級人民の内部において、部落民への差別排外主義をもってする差別分断や憎悪をかきたて、ブルジョア階級支配を強固にする状況が形作られている。
 だからこそ、前進してきた部落解放運動への破壊攻撃、部落差別攻撃が激しく続いている。なかでも一九八四年の「地対協意見具申」に端的な日帝の部落差別攻撃は、部落民自らの糾弾決起と解放への団結の闘い、即ち糾弾権と自主的大衆的解放団体=部落解放同盟を否定するというものである。絶対に許すことはできない。以降、日帝ブルジョアジーと差別排外主義勢力による部落解放運動の破壊攻撃が強まっている。
 二〇一六年、鳥取ループ・示現舎が「全国部落調査」復刻版の販売活動を行った。しかもネット上での「部落探訪」をもって「同和地区」・隣保館や活動家の名前・住所などが晒されてきた。許しがたい部落差別攻撃だ。就職・仕事・結婚など社会生活における部落差別を助長するものだ。悪質極まりない差別行為だ。
 部落解放同盟は、鳥取ループ・示現舎に対する差別糾弾の裁判や行政要求を進め、差別者を糾弾し、社会的追放や制裁を実現しようと闘っている。裁判では、「復刻版」の出版差し止め、ウェブサイトの削除、損害賠償を求めた。だが昨年九月二七日、東京地裁判決は、プライバシー権の侵害をもって、それらの要求に部分的にしか応えなかった。一部の原告の損害賠償や一六県の差し止めを除外する差別的内容だった。控訴審では、「差別されない権利」と全面勝利を求めて、闘っている。鳥取ループ・示現舎など差別主義勢力の部落差別攻撃を絶対に許してはならない。

●5 全国水平社から一〇〇年の闘い

 今年は、全国水平社結成から一〇〇年となる。被差別部落民が、自らの解放を求める決起と結社を宣言し、「人の世に熱あれ、人間に光あれ」(水平社宣言)と全人類の解放を訴えて始まった部落解放運動は、差別分断と階級支配をもって君臨する日本帝国主義ブルジョアジーを打倒する闘いの大きな一翼となった。同時に、侵略と差別の元凶たる天皇制を根底から批判し、「貴族あれば、賎族あり」と訴えてきた。一九八〇年代には、天皇ヒロヒトへの戦争責任追及や天皇制廃絶の大衆運動を牽引してきた。とくに八九年から九〇年代初頭のヒロヒトの死とアキヒトへの代替わりの一連の天皇制賛美、即ち大喪の礼・即位式・大嘗祭などに反対するという反天皇闘争を大衆的に進めたことは、画期的地平であった。部落解放運動は、その先進的地平である反天皇・天皇制打倒、そしてアジア人民連帯と日帝ブルジョアジー打倒の内容を持ってきたことは明らかである。

●6 差別排外主義粉砕 部落解放―日帝打倒

 日帝の安倍、菅、岸田と続く右翼反動自公政権による改憲・戦争、天皇制・天皇制イデオロギー攻撃、新自由主義によって、貧富格差の拡大、生活破壊、差別排外主義攻撃が、部落民や被差別大衆、下層労働者に押し寄せている。断固として、差別、貧困、戦争を許さず、岸田政権を打倒していかなくてはならない。
 ウクライナ戦争情勢の中で、狭山闘争勢力と部落解放運動の大衆的前進と一体に、反戦反核反帝の闘いとしてウクライナ反戦を強めていくことも重要である。
 5・23、石川一雄さん不当逮捕の五九カ年を断固糾弾する! 狭山差別裁判を徹底的に糾弾する! 石川さん無実の狭山第三次再審闘争の勝利をかちとろう! 各地で狭山第三次再審闘争の学習と宣伝を強めよう! 差別排外主義攻撃をうちやぶろう! 反差別共同闘争をすすめよう! 階級的共同闘争を各地でたたかおう! 部落解放運動の重要環として狭山闘争を強め、岸田政権打倒の全人民的政治闘争を高揚させよう! 部落解放―日帝打倒の綱領的闘いを構

 



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